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懐中時計の世界

懐中時計の世界

持ち運べる時計

携帯することができる時計は大きく分けて3種類あります。ひとつめはご存知「腕時計」です。いまや携帯できる時計のほとんどが腕時計だと言っても過言ではないでしょう。ふたつめは今回テーマとしている「懐中時計」です。懐中時計はポケットウォッチともいわれ、腕時計が一般的となるまでは携帯時計の主流でした。

トラベルウォッチ

3つめは「トラベルウォッチ」です。旅行の時などに目覚まし時計代わりとして使うことができる、小型の置時計です。今ではモーニングコールサービスもありますし、アラーム機能のある時計が各部屋に置かれていることも多いため、ほとんど見かけることはなくなりました。トラベルウォッチには機械式のもの、クォーツ式のものいずれもありますが、機械式のものはレトロ感もあり可愛い雑貨として人気を集めています。

時計のサイズダウン

懐中時計に話を戻します。街で唯一の時計から始まり、権力者だけが持つことを許された豪華絢爛な時計を経て、家庭で使う置時計へとサイズダウンしてきた時計が、懐中時計になることで初めて個人のものとなりました。機械式時計の仕組みは基本的には変わっていませんので、単純に各部品の大きさを小さくすればサイズダウンは実現できます。しかし、小さくすると歯車に要求される加工精度が高くなるため、小型で薄型の時計が普及するまでには相当の時間がかかりました。

高級品としての懐中時計

作るのが難しいモノは当然価格も高くなります。当初、懐中時計は裕福な家庭の家長しか持つことができませんでした。街の中にも時計はそれなりにあったはずですが、懐からさっと時計を取り出す行為含めてステータスシンボルとしての役割も果たしていたと推量します。素材に貴金属が使われることが多く、銀や金を使った懐中時計が多く残っています。

持ち運ぶ精密機械

懐中時計はおそらく世界で初めての「持ち運ぶ精密機械」でした。それ故に、懐中時計を持つことは故障や破損との戦いでした。外装は凹みやすいケースとすぐに割れる風防ガラス。機械はいろいろな角度で持ち運ぶので精度も安定せず、ちょっと落とすとすぐに壊れてしまいます。

鉄道時計

腕時計が普及した後も、懐中時計が好まれる場面もありました。前述したように、時計を小型化すると精度を出すのが難しくなります。逆に考えると、ある程度の大きさを維持すれば高精度な時計を作ることができるのです。たとえば、鉄道の運行に使える精度を実現した「鉄道時計」は懐中時計として作られることが多い時計です。また、懐中時計はそれぞれの部品が大きいのでメンテナンスもしやすく、時計職人になるための学校では初級の教材として用いられたりもします。また、腕に時計が着けられない仕事、たとえば料理人のように水を使うことの多いお仕事の方や、消毒のために腕を常に清潔にしておかなければいけない看護師さんなどにも懐中時計を使うことが多かったようです。

いまでも懐中時計が愛されるワケ

懐中時計が映画や小説、ゲームなどでキーアイテムとして用いられることがあります。モノとしての美しさ、レトロ感、手にすっぽりと収まるサイズ感などがクリエイターの琴線に触れるのでしょう。実際に手にしたことがなくても、懐かしさを感じたり好奇心がくすぐられる稀有な道具かもしれません。

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公開日2018年2月28日
著者watchjournal

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